お楽しみさまです!ハレルヤの松本です。
食べ方を変えると、生き方が変ります。
連日の酷暑、寝苦しくて疲れがたまり食欲落ちてませんか?
水分、口当たりの良い果物、麺類ばかりで食欲はないのに、
水太り、炭水化物太りに陥って秋に泣かないようにしましょう。
そんなお悩み解決はスパイスを効かせた野菜料理「サブジ」です。
●夏野菜のサブジ(4人分)
【材料】
・かぼちゃ 中1/4個(種を取り一口大に切る)
・ズッキーニ 1/2本
・しし唐 10本
・ミニトマト 10個
・クミンシード 小さじ1強
・菜種油 大さじ2
・カレー粉 小さじ1
・塩 小さじ1
・コリアンダーパウダー 小さじ2
・ターメリック 小さじ1/4
・粉唐辛子 少々
・醤油 少々
・水 1/2カップ
※夏野菜は、ナス、オクラ、ジャガイモなどでもおいしい。
【作り方】
①厚手のなべに油とクミンシードを入れ、弱火にかけて約1分炒め、かぼちゃ、しし唐、ミニトマトの順に加えて3~4分炒める。
②Aを加え、香りが立つまで1分ほど炒めたら水を入れ、ふたをして時々混ぜながら弱火で10分ほど煮る。
●これだけ押さえて今日からサブジ名人
秋に生まれたのせいか、夏の暑さにはめっぽう弱いんです。
最近の日本の夏は「ここは東南アジアか!」と思えるくらい高温多湿でぐったりしますね。家では出来るだけ火には近づきません。
さて夏と言えばやっぱりカレーでしょう!
スパイスを使った料理は食欲の落ちる夏にはぴったりの料理ですね。
スパイス料理は身体を温めると思われがち。
しかし実際は一時的に 「カ~ッ!」 と身体が温まって代謝が良くなり汗も出ますが、
汗をかいた後は 「ス~~ッ」 と冷えていきます。
スパイスの多くは酷暑の環境で育つものです。
そんなスパイスには体を涼しくしてくれる作用があり、夏場にスパイスがたっぷり入ったカレーを食べるというのは、季節に合った食べ方なのです。
そんなカレーも、長時間煮込まなくてはいけないとしたら、ちょっと夏場は勘弁ですね。
今回は短時間でさっさと作れるカレー「サブジ」の紹介です。
「サブジ」というのは、インド、ネパールの家庭料理で、カレースパイスを使った野菜の蒸し煮、蒸し炒め料理のこと。
思いついてから30分くらいで出来上がりです。
ではではスパイスと夏野菜の競演の始まりです!
具材はお好みの夏野菜でどうぞ。
じゃが芋、なす、オクラなんかも良いでしょうね。
ポイントはクミンをじっくり香りが出るまで炒めること。
薄い鍋だと焦げやすいので、出来れば厚手の鍋でじっくりと。
続いて、かぼちゃ、ズッキーニ、ししとう、ミニトマトの順に投入して炒めていきます。
油に移したクミンの香りを野菜に絡めるイメージで。
残りのスパイスを加えてさらに炒めたら、
水を加えて蒸し煮にすること約10分で出来上がり。
どうでしょう簡単でしょう。
煮込んだカレーに比べると、さっぱりした仕上がりです。
おさらい
ではここで「サブジ成功の法則」をまとめておきましょう。
これだけ覚えておけば具材が何であれ応用が効いて失敗知らず。
①はじめの香り
種状のスパイス(ホールスパイス)をサラダ油など香りの強くない油を
温めて香りを移す。好みでにんにくしょうがを加えて炒める。
②具
具材の野菜を加え、スパイスの香りを具にまとわせる。
③うまみ
ざく切りにした生トマトかトマト缶を入れて火を通す。
④中心の香り
コリアンダー・クミン・カルダモン・シナモンなどの香りを出すパウダースパイスと、
唐辛子粉やブラックペッパーといった辛味を出すスパイスを入れる。
⑤水分
必要ならば分量の水を入れて少し煮込む。水分の多い野菜は自身の水分で蒸し煮。
⑥塩
塩で味を整えて出来上がり。
※サブジの成功法則は水野仁輔著「カレーの教科書」のカレーのゴールデンルールを参考にサブジ用にアレンジさせて頂きました。
簡単にいうと、スパイスの香りの移った油を作り、それを具材と絡めつつ、
蒸し煮、炒め煮などで適切に火を通せばいいだけなのです。
カレーのように玉ねぎを飴色になるまで炒めたり、ことこと煮込むプロセスがない分
時短になる訳です。
むしろ夏にはこのくらいさらっとした仕上がりの方がおいしく感じられると思います。
是非いろんな野菜で試してみてください!
●いつも野菜料理がスパイスで各国料理に大変身!
以前、外国人のクライアントで「無塩食」を3ヶ月間毎日作っていたことがありました。減塩でなく無塩ですよ!
どうやって美味しく食べて頂こうかと考えた時に、大活躍したのがスパイスとハーブ。
ほんの少し加えるだけで香りの広がり、味の奥行きが生まれ、家にいながらにして世界の料理が楽しめるようです。
スパイスというと何やらいろいろあって、難しそう、面倒くさそう、ハードルが高そうと感じるかもしれませんが、スパイスを使うからといって、何も特別な技法や道具が必要なわけじゃありません。
はじめは日頃とあまり変わらない調理方法で料理を作り、「結果的にスパイスの香りが上手に加わればいい」くらいに考えて大丈夫だと思います。
スパイスは味をつけるものではなく、香りをつけるものと心得ましょう。
まずは「普通に使う調味料のひとつだ」程度に考えて種類・香り・簡単な効能を覚えて
いつも通りのスタンスで料理すればいいのです。
ただし “スパイスの香りをより効率よく引き出すための手順” や “効能に関する注意点” が存在しますから、それだけはしっかり基本を覚えないといけません。
特に人体に及ぼす影響については、正しく知っておかないと 薬効があるはずのスパイスも
逆効果になります。
■油溶性と水溶性
スパイスは種類によって油に溶けるものと水に溶けるものに分かれます。基本的に油に溶け出すタイプのものは香りを何らかのオイルに移してから他の具材を炒める(または焼く) などし、水に溶けるものはそれよりも後に足すという流れになります。
油溶性・水溶性の判断方法については、ホールスパイス(種状のスパイス=粉以外のスパイス) は油に直接入れて、粉になっているスパイスはある程度調理が進んだ段階で入れる、と覚えておけば問題ないでしょう。
例外はありますがこう覚えておけば致命的な失敗はないはず。
■野菜料理に揃えておきたいスパイスの効果と薬効
スパイスは本当に多種多様ですが、今回は特に野菜によく合うスパイ&スハーブを厳選して紹介します。
スーパーなどでも手に入りやすいものばかりなので、手始めにこの辺から揃えていくと良いでしょう。
・クミンシード
インド料理以外にもトルコ料理やメキシコ料理にも使われる香り高いスパイス。カレーの特徴的な風味はこれによるところが大きい。また爽やかな香りからお菓子にも使える。
※薬効=食欲増進・消化促進・生理不順・解毒(下痢や腹痛等)
・マスタードシード
厳密に言うとあのマスタードの原料になる種とは微妙に品種が違うが、香り自体は似た部分がある。熱する事でほんのり甘味や香ばしさが出る。
※薬効=血行促進・打ち身・胸や腰の痛み・痛風
・キャラウェイシード
じゃが芋やキャベツ、人参などの野菜、卵、チーズの料理のほか、ザワークラフトや
ピクルス、ドレッシングなど酸味のある料理の味付けにもよく合う。
パン、ケーキ、クッキーなでのお菓子などにもよく使われる。
※薬効=消化促進、食欲増進。胃腸薬、風邪薬にも利用される。
・タイム
長時間熱を加えても香りが飛ばないので、野菜の煮込み、スープなどに良く使われる。
クリーム煮、マリネ、ムニエルなどにもよく合う。
※薬効=胃腸機能を高める、風邪、咳止め、神経性の病気、疲労回復の効果がある。
・オレガノ
トマトやチーズとよく合い、イタリア料理には欠かせないハーブ。
ピザ、パスタ、肉、魚貝、野菜、豆の煮込みに良く使われる。
※薬効=消化促進。胃腸の働きを活発ににし、筋肉痛、頭痛、腹痛を鎮める効果も。
・セサミシード
おなじみの胡麻。煎ると独特の香ばしい風味が広がり、甘みがでる。
ほとんどの素材とよく合うので、サラダ、あえもの、揚げ物、ご飯もの、
お菓子、パンなど利用される。
擂ったものは、酢の物、和え物、薬味などに、
練ったものは、和え物、ドレッシング、たれによく使われる。
※薬効=動脈硬化、高血圧、貧血予防。便秘、強壮、美容にも効果的
・ベイリーフ(ローレル・月桂樹)
日本でもカレーやシチューを作る際に使うので馴染みがあるはず。爽やかで上品な香りがあるので、肉や魚などのニオイ消しに利用するケースが多い。
※薬効=鎮静やリラックス作用・消化吸収の促進・肌荒れ予防・発毛促進・冷え性やリウマチの緩和
・コリアンダー
いわゆるシャンツァイ・パクチーと呼ばれる香草の種をパウダー状にしたもの。
種の状態ならば好き嫌いのわかれる “あの香り” はないので安心して使える。
※薬効=消化促進・食欲増進・鎮痛・血液浄化・発汗作用(デトックス効果)
その他基本的なもの
・ペッパー(胡椒)
大航海時代にはこれが原因で戦争が巻き起こったほど重要なスパイス。特徴的な刺激ある香りで、日本人が思うスパイシーさに最も近い風味だと思われる。粉でも粒でも使うが刺激(=辛味) が強いので使い過ぎには注意。
※薬効=消化促進・食欲増進・血液循環の促進・新陳代謝の活性化
・ガーリック(にんにく)
臭いが気になるものの、使わない日本人はいないんじゃないかと思うほど食卓に欠かせない食材。スパイスとしても効果が強く、生姜と並んで日本人にとって最も身近なスパイスかもしれない。また日本人が思うカレー粉の香りは、主にクミン・コリアンダー・ターメリック・ガーリックの4つのパウダースパイスで近いものが再現できる。
※薬効=殺菌や除菌効果・糖分代謝の活性化・新陳代謝の促進・血圧やコレステロールの低下・風邪や扁桃腺にも効果
・ジンジャー(生姜)
あらゆる国で使われているメジャーな食材。日本でも古くから 「風邪には生姜」 と言われていたくらい強い効能で知られている。日本では摩り下ろして薬味にしたり何かに漬け込んで食べたりするが、スパイスとしても効果が大きい。
※薬効=殺菌作用による食中毒防止・抗酸化作用・解熱作用・食欲増進・消化促進・神経痛の緩和・血行促進・筋肉痛の緩和
スパイスの使い方に慣れるまでは、いきなりあれもこれもとブレンドするよりも、
少数のスパイスを使いこなすところから始めるのが無難です。
あれもこれもブレンドしてしまうとかえって平均的な没個性な味になってスパイスが楽しめなくなってしまいます。
それぞれのスパイスの香りや、火を入れた時にどういう風味に変化するかという知識を蓄積した上で、さらに高みを極めたい場合は、専門書を買ってより深いスパイスの世界に旅立ってください(笑)